争族にならないための相続対策 Inheritance

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    争族にならないための相続対策

    • 相続の基礎知識

    • 認知症対策

    • 遺言書

    • 遺産分割対策

    • 不動産の相続税評価額

    • 相続税の計算

    • 相続時精算課税制度

    • 家族信託

相続の基礎知識

相続対策をするにはある程度の基礎知識が必要です。
いざという時のために相続に関するおもな内容を理解しておきましょう。

相続開始後のスケジュール
  • 01

    被相続人の死亡(相続開始)

    ・関係者への連絡、葬儀の準備

  • 02

    通夜

    ・死亡届の提出(死後7日以内に死亡診断書を添付して市町村役場に提出)

  • 03

    葬儀

    ・葬儀費用の領収書等の整理・保管
    ・遺言書の有無の確認(公正証書遺言以外の遺言書があれば、家庭裁判所で開封および検認が必要)
    ・遺産と債務の概要の把握(相続の放棄をするかどうか決定)
    ・相続人の確認(被相続人と相続人の本籍地から戸籍謄本を取り寄せる)

  • 04

    相続の放棄または限定承認

    (被相続人の死亡から3ケ月以内)…(家庭裁判所に申述)

  • 05

    所得税の申告と納付

    (準確定申告:被相続人の死亡から4ケ月以内)…(被相続人の死亡日までの所得を税務署に提出)
    ・遺産や債務の調査
    ・遺産の評価・鑑定(相続税評価額、時価):専門家に相談

  • 06

    遺産分割協議書の作成

    (遺言書がない場合、相続人全員の実印と印鑑証明書が必要)
    ・遺産の名義変更の手続き(不動産の相続登記や預貯金、有価証券の名義書き換え)
    ・相続税の申告書の作成(納税資金の準備、延納または物納にするか検討)

  • 07

    相続税の申告と納付

    (被相続人の死亡から10ケ月以内)…(被相続人の死亡時の住所地の税務署に申告)

相続人の順位
01 第1順位 … 子

子は第1順位で相続人になります。
子が数人いるときは同順位で均等に分割します。

①実子と養子 実子と養子に差異はありません。
②代襲相続 孫は直接的には相続人とならないですが、相続発生時に被相続人の子(孫の父母)がすでに死亡していた場合、孫は子に代わって相続人となります。
これを代襲相続と言います。
孫も死亡してその子が存在する場合は再代襲します。
③胎児の相続能力 相続開始時に胎児であった者も、生まれたものとみなして相続権が認められます。
ただし、死産の場合には相続権は認められません。
02 第2順位 … 直系尊属

第1順位の相続人がいない場合、被相続人の父母が相続人となります。
被相続人の父母がいずれもいない場合で、祖父母がいるときは祖父母が相続人となります。

03 第3順位 … 兄弟姉妹

第1順位、第2順位の相続人がいない場合、兄弟姉妹が相続人となります。
兄弟姉妹が死亡している場合、兄弟姉妹の子にも代襲相続が認められますが、再代襲は認めらません。

配偶者

配偶者は常に相続人となり、第1順位から第3順位の相続人がある場合は、それらの者と同順位で相続します。
配偶者とは婚姻届けを出した者であり、内縁関係者(婚姻届けを出していない者)は含まれません。
配偶者の代襲相続は認められません。

法定相続分
01 配偶者のみが相続人の場合

配偶者が全て相続します。

02 配偶者と第1順位者(子)が相続する場合

配偶者が2分の1、第1順位者が2分の1の割合で相続します。
第1順位者が複数の場合は2分の1をさらに均等に分けます。

03 配偶者と第2順位者(直系尊属)が相続する場合

配偶者が3分の2、第2順位者が3分の1の割合で相続します。
第2順位者が複数の場合は3分の1をさらに均等に分けます。

04 配偶者と第3順位者(兄弟姉妹)が相続する場合

配偶者が4分の3、第3順位者が4分の1の割合で相続します。
第3順位者が複数の場合は4分の1をさらに均等に分けます。

相続の承認と放棄

相続人は原則として被相続人の財産を引き継ぐが、多額の債務がある場合には相続したくないこともあります。
そこで相続人は自分のため相続の開始があったことを知った時から3ケ月以内に、「単純承認」「限定承認」「相続放棄」のいずれかを選択できます。

(1)単純承認 単純承認とは、被相続人の財産(資産・負債)の全てを無条件で相続することです。
相続があったことを知ったときから3ケ月以内に限定承認または相続放棄をしなかった場合は単純承認したものとみなされます。
(2)限定承認 限定承認とは、相続人が受け継いだ資産の範囲内で負債を支払い、資産を超える負債については責任を負わないという相続の方法です。
相続財産の中の負債が資産より多いかもしれないという場合に有効です。
・相続開始を知った時から3ケ月以内に家庭裁判所に限定承認申述書を提出すること。
・限定承認を行うには、相続人全員で家庭裁判所に申述しなければなりません。
(3)相続放棄 相続人は相続があったことを知った時から3ケ月以内であれば、相続財産の承継を拒否することができます。
財産を承継したくない場合、相続財産のうち負債が多い場合、分割協議に参加したくない場合に利用されます。
・相続があったことを知った時から3ケ月以内に家庭裁判所に相続放棄申述書を提出すること。
・各相続人が単独で放棄できます。(限定承認とは異なります)
遺留分

例えば、遺言の内容が「全財産を愛人に相続させる」となっていた場合、相続人たちは困ります。
遺留分とは、相続において被相続人に関わる一定の財産のうち、一定の相続人それぞれが「遺留分侵害請求権」を行使すれば必ず取得できる財産の範囲のことです。

遺留分権利者 遺留分は配偶者、直系卑属(その代襲増族人)、直系尊属に認められ、兄弟姉妹には認められません。
遺留分の割合 相続人が直系尊属だけの場合は財産の3分の1、その他の場合は2分の1を、法定相続分にかけます。
例えば、相続人が妻と子3人の場合
妻の遺留分 = 1/2 × 1/2 = 1/4
子1人の遺留分 = 1/2 × 1/6 = 1/12
遺留分侵害額請求権の時効 遺留分権利者は、相続の開始および遺留分を侵害する贈与、遺贈があったことを知った時から1年以内、あるいは相続の開始のときから10年経過する前に遺留分侵害請求権を行使しなければなりません。
この期間が経過すると、遺留分侵害額請求権は時効消滅します。

認知症対策

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平均寿命の上昇によってもたらせられる問題の一つに認知症高齢者の増加があげられます。
2025年には高齢者の5人に1人が認知症になると推計されています。
高齢者(60代以上)は他の世代に比べて多くの財産を有しており、持ち家率は90%超、貯蓄は他の世代の3倍以上を有しています。
2030年には認知症患者の保有する金融資産は、家計金融資産全体の約1割に達すると試算されています。
高齢者が何も対策をせずに認知症を発症した場合、金銭であれば預貯金の引き出し、定期預金の解約ができなくなる可能性があります。
不動産であれば売却、賃貸、修繕、リフォームなどが困難とります。可能性があります。
不動産を所有している方の元気なうちにする事前の認知症対策として、「家族信託」 や「任意後見制度」、「相続時精算課税制度」などの「生前贈与」があります。
「そろそろかな」という時のために早めに制度のしくみを理解しておきましょう。

遺言書

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相続でもめているのは、何億もの資産があるお金持ちの人たちの話だと思う人も多いかと思いますが、相続の発生後、遺産分割の裁判の約4分の3は5000万円以下の財産をめぐって争われているといわれています。
相続財産のほとんどが不動産であり、遺言書もなく、特に所有不動産が自宅だけのケースでは簡単に分けたりすることができないことが争いの主な原因と考えられます。
遺産分割の方法には、「指定分割」と「協議分割」があり、遺言で分割の方法を定めるのが指定分割で、遺言の指定がない場合に共同相続人全員で協議して分割するのが協議分割です。
「遺言」は被相続人の最終の意思表示であり尊重されるべきことで、最優先されます。
特に不動産をお持ちの方は、自分の死後に相続人が財産の分け方で争わないよう、「遺言書」を作成してご自身の意思を遺しておきましょう。
「遺言書」には「自筆証書遺言」、「公正証書遺言」、「秘密証書遺言」がありますが、偽造、変造、紛失の心配がなく、裁判所の検認の必要もない安全確実な「公正証書遺言」をお勧めします。

遺産分割対策

遺産分割の種類には「現物分割」「換価分割」「代償分割」があります。

現物分割 個別の不動産について、この財産は誰に、というように数量、金額、割合を定めて分割する方法です。
現物分割ができないときは換価分割や代償分割によることになります。
換価分割 相続財産がおもに不動産で金融財産が少ない場合に、共同相続人が相続によって取得した不動産の全部または一部を売却により金銭に換価し、その換価代金を分割する方法です。
代償分割 特定の相続人に相続させたい居住用不動産や、被相続人の事業を特定の相続人に継承するための事業用不動産がある場合に、特定の相続人がその他の相続人のために金銭で代償する分割方法です。 代償で支払う金銭を準備するために「死亡保険金」を利用する方法があります。
死亡保険金は「みなし相続財産」として課税対象になりますが、相続財産ではなく「固有の財産」なので相続放棄をした者や相続人以外の者も受け取ることができます。
また、非課税金額の規定(500万円×法定相続人の数)が設けられているので納税対策や分割対策として活用できます。

不動産の相続税評価額

自分が所有している不動産の評価額を知っておくことは、事前の相続対策として非常に重要です。
ここでは簡易的な評価計算方法を紹介します。

自用地の評価

自用地とは自宅の敷地や、自分の営む事業のために使っている土地、空地など自分で使用している宅地のことを言います。

宅地の評価は、おもに市街地的地域に所在している場合は路線価方式により評価し、路線価の付されていない市街地的地域以外の地域は倍率方式により評価します。

https://www.rosenka.nta.go.jp/

路線価方式

路線価方式とは、その宅地の面する路線(道路)に付された路線価を基に計算した金額によって評価する方法を言います。

路線価とは、路線に面する宅地の1㎡あたりの価格のことで、国税庁より発表される「路線価図」に千円単位で表示されています。

例えば正面路線価が「120F」と表示がある場合は、1㎡あたりの路線価は120,000円になります。(「F」は借地権割合のことです)

この路線価に各種の補正を行い1㎡あたりの評価額を算出して、それに地積を乗じたものが宅地の評価額となります。

①宅地の1面だけ道路に面している場合 正面路線価×奥行価格補正率×地積
②宅地の正面と側面が道路に面している場合 (正面路線価×奥行価格補正率+側方路線影響加算額)×地積
③宅地の正面と裏面に路線がある場合 (正面路線価×奥行価格補正率+二方路線影響加算額)×地積
倍率方式

倍率方式とは、その宅地の固定資産評価額に一定の倍率を乗じて計算した金額によって評価する方法を言います。

評価額=固定資産税評価額×倍率

借地権の評価

建物の所有を目的として地代を払って借りている宅地である借地権の評価は、自用地価格に借地権割合を乗じて算出します。

借地権割合は路線価図や評価倍率表に表示されており、路線価図の場合は、
A=90%、B=80%、C=70%、D=60%、E=50%、F=40%、G=30%です。

借地権の評価額=自用地価格×借地権割合

【例】路線価が「120F」に面している宅地の借地権の1㎡あたりの評価額は、

120,000×40%=48,000円

貸宅地(底地)の評価

借地権が設定されている宅地である貸宅地(底地)の評価は自用地評価額から借地権評価額を控除して算出します。

【例】路線価が「120F」に面している宅地の貸宅地(底地)の1㎡あたりの評価額は、

120,000×(1-40%)=72,000円

貸家建付地(アパート用地)の評価

自分の所有する土地に自分の所有する貸家や賃貸アパートなど、賃貸用のアパートを建てて他者に貸している土地である貸家建付地の評価は、自用地評価額から一定の評価減を行って算出します。

貸家建付地の評価額=自用地評価額×(1-借地権割合×借家権割合(30%)×賃貸割合)

※借地権割合は全国一律30%

※賃貸割合=課税時期において賃貸されてない部分の床面積(一時的ではないもの)/賃貸部分の床面積の合計

【例】5階建て賃貸アパートの敷地の評価

  • 1階から5階まで各階100㎡で全て賃貸用
  • 自用地評価 1億円
  • 借地権割合 60%
  • 借家権割合 30%
  • 2階部分だけ空き室(一時的ではない)

貸家建付地の評価額 = 1億円×(1-60%×30%×80%)= 8,560万円
※賃貸割合=400㎡/500㎡=80%

使用貸借の評価

使用貸借とは対価を伴わないまたはごく少額の地代のみでの貸借を言います。
使用貸借はいつでも解除できるため借主側の使用権の評価額は0円、貸主側は自用地として評価します。

小規模宅地の特例

小規模宅地の特例は、相続人等の最低限の事業または居住の保護の観点から設けられた制度です。
相続または遺贈で取得した宅地が被相続人の居住用、事業用、不動産貸付用に供されていた場合において、一定の要件を満たしたときは、一定の面積までは通常の相続税評価額から減額できる制度です。

  • 被相続人が住んでいた宅地 … 330㎡までは80%減額
  • 被相続人が事業をしていた宅地 … 400㎡までは80%減額
  • 被相続人が貸付事業(アパートなど)をしていた宅地 … 200㎡までは50%減額
建物の評価
自用家屋の評価

自用家屋は、家屋の固定資産税評価額に評価倍率(1.0)を乗じた金額で評価します。
自用家屋の評価額=固定資産税評価額×評価倍率(1.0)

貸家の評価

貸家は、借家人が使用し自己の使用に制限があるため、借家権割合30%を控除した金額で評価します。
貸家の評価=固定資産税評価額×(1-借家権割合30%×賃貸割合)

建築中の家屋の評価

課税時期において建築中の家屋の価格は、費用現価(課税時期までに投下した費用)の70%に相当する金額によって評価します。
建築中の家屋の評価額=当該家屋の費用現価×70%

軍用地の評価

軍用地の評価額は、固定資産税評価額に地目ごとの評価倍率を乗じて、借地権割合(一律40%)を控除した金額になります。

軍用地の評価=固定資産税評価額×評価倍率×(1-借地権割合40%)

https://www.rosenka.nta.go.jp/main_r04/okinawa/okinawa/others/l110500.htm

相続税の計算

今、相続が発生したときに相続税が発生するのか、発生するとすれば相続税額はいくらか。
相続が発生したときの相続税額を今のうち把握することも争い族を防ぐ大事な対策です。現在の所有不動産や金融資産をもとに全体の大まかな相続税額を把握することができます。具体的に相続人への財産の分割がある程度決まっていたら、相続人それぞれの負担する税額が把握できます。現状の相続税額を把握し、納税対策や節税対策を早めに行いましょう。

相続税の計算
01
各相続人等の課税価格の合計額(A)
各相続人等の
課税価格の合計額(A)
本来の相続財産
土地、建物、預貯金、株 など
みなし相続財産
死亡保険金、死亡退職金 など
非課税財産
お墓、仏壇、死亡保険金のうち一部 など
債務控除
債務、葬式費用
贈与財産
相続開始前3年以内に贈与を受けた財産、相続時精算課税制度を選択した贈与財産
下矢印
遺産にかかる基礎控除額
(3000万円+600万円×法定相続人の数)
02課税遺産総額(B)
下矢印
法定相続人ごとに税金を計算し合計する
(B)× 法定相続分 × 税率 ー 控除額 = 税額 (速算表による)
03相続税の総額(C)
下矢印
各相続人等ごとに案分
(C)× 各人の課税価格 ÷ (A)
04各相続人等の算出税額(D)
下矢印
(+)2割加算 (-)贈与税額控除 (-)配偶者の税額控除 (-)未成年者控除
(-)障害者控除 (-)相次相続控除 (-)外国税額控除
05各相続人等の納付税額
法定相続分
相続人 法定相続分
配偶者と子2人(A、B)の場合 配偶者 1/2
子(A) 1/4 子(B) 1/4
配偶者と直系尊属(父母、祖父母)の場合 配偶者 2/3
直系尊属 1/3
配偶者と兄弟姉妹の場合 配偶者 3/4
兄弟姉妹 1/4
相続税の速算表
遺産にかかる基礎控除額控除後の
法定相続分に応ずる各取得金額
税率 控除額
1000万円以下 10% 0万円
1000万円超 3000万円以下 15% 50万円
3000万円超 5000万円以下 20% 200万円
5000万円超 1億円以下 30% 700万円
1億円超 2億円以下 40% 1700万円
2億円超 3億円以下 45% 2700万円
3億円超 6億円以下 50% 4200万円
6億円超 55% 7200万円
配偶者の税額軽減
  1. 課税価格の合計額に対する配偶者の法定相続分までの財産は課税されない。
  2. たとえそれを超えても1億6000万円までの財産の取得に対しては課税されない。
  3. 税額が出なくても期限内(10ケ月)に相続税の申告書を提出することが条件である。
配偶者の税額軽減の控除額 相続税の総額 × A

相続税の課税価格の合計額 B

Aは次のア、イのうち少ない方

ア B×配偶者の法定相続分(1億6000万円に満たないときは1億6000万円)

イ 配偶者の課税価格

相続時精算課税制度

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高齢者の資産をスムーズに次の世代に渡し、経済の活性化にも資するといった社会的要請を踏まえ、生前における贈与による資産移転の円滑化に資することを目的として2003年度税制改正において創設された制度です。

相続時精算課税制度の主な内容
  • 贈与者:贈与した年の1月1日において60歳以上の父母または祖父母
  • 受贈者:贈与を受けた年の1月1日において18歳以上の推定相続人である子および孫
  • 納税者の選択により、暦年課税による贈与税の「暦年課税」に代えて「相続時精算課税制度」を適用した場合はその年以降、すべて「相続時精算課税制度」の適用を受け、「暦年課税」に変更することはできない
  • 贈与財産の種類、金額、贈与回数に制限はない
  • 贈与者ごとに贈与の課税価格から特別控除の2500万円まで控除できる
  • 贈与税は2500万円の特別控除後の金額に一律20%の税率を乗じた税額を納付する
  • 相続開始時には、本制度を適用した受贈財産と相続財産を合計して相続税を計算し、本制度にかかる贈与税を控除した金額を納付する(先に納めた贈与税が相続税を上回る場合は差額が還付される)
  • 相続税の計算は、贈与時の価格(相続税評価額)で計算されるので将来評価額が上昇しそうな場合、有効です。

家族信託

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家族信託とは「家族を信じて」財産を「託す」制度です。

家族信託を利用するケースで最も多いのは、高齢の親が元気なうちに子供に財産管理を託すケースです。

子供に財産の管理権限を移転しておくことで、親が認知症などで判断能力を失った後でも、子供が親に代わって財産管理を行うことができます。

家族信託の基本的なしくみ

  1. 委託者が、自分の大切な財産を、信頼できる人(=受託者)に信託し、
  2. 受託者は一定の目的に従い信託された財産を管理・運用し、
  3. そこから生まれた利益を委託者が指定した人(=受益者)に渡す。

家族信託の特徴

所有権の受託者への移転

委託者から信託された財産を「信託財産」といいます。
委託者が自分の財産を契約などにより受託者に信託すると、その財産の所有権は受託者に移転し、その財産の所有者は受託者になります。
信託された財産が不動産である場合には、登記も受託者に移転します。

倒産隔離

所有権は受託者に移転しますが、信託財産は信託目的以外に流用されない仕組みになっています。
信託財産は、受託者の債権者が差押することはできないし、受託者が破産したときでも破産財団には組み込まれません。

信託受益権

信託をすると、受益者は信託財産から生じる利益を受け取る権利を持ちます。これを「信託受益権」と言います。
委託者と受益者が同一人物の信託を「自益信託」といい、これに対して、委託者と受益者が異なる信託を「他益信託」と言います。
つまり、信託は他人のために財産を管理・運用できるだけでなく、自分のために財産を管理・運用することもできます。一般に、他人から財産を取得した場合には、取得者に対して贈与税や不動産取得税などが課税されますが、自益信託の場合には、実質的な所有者は変わってないので、贈与税や不動産取得税は課税されません。(他益信託の場合には受益者に対して贈与税が課税されます。)

不動産相続における信託の活用

不動産相続において家族信託は、不動産オーナー本人や配偶者または残された子供の生活を安定させるためや、承継させたい人に不動産を確実に取得させるために活用されています。

活用例として、次世代の後継者に不動産を信託して、生存中はオーナー本人や配偶者のために不動産を管理・運用してもらい、オーナー死亡後には、その後継者に不動産を渡すことができる「遺言代用信託」があります。

この対策では、受託者が不動産の管理を行うことから、オーナーが認知症になっても物件の管理が十分に継続でき、その物件からの収益で本人や配偶者の生活の基盤が確保できます。

また、オーナー死亡時には遺言と同様、その不動産を望みどおりに承継させることができます。

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